近年、都市部への一極集中が進む中、地方の重要性や魅力が忘れられつつある現状に強い危機感を抱いています。
地方の自然や農産物は、私たちの生活を根底から支える存在であり、都市の暮らしを補完する大切な役割を果たしています。例えば、地方に広がる豊かな自然は、私たちが日々の忙しさを忘れ、心をリフレッシュさせる場を提供してくれます。また、地方で生産される農産物があるからこそ、食卓には新鮮で美味しい食材が並び、健康的な暮らしを営むことができます。地方の存在なくして、日本全体のバランスある発展はあり得ません。

その中でも、特に農業の重要性に注目しています。農業は、豊かな自然を守りながら食料を生産し、地域社会を支える基盤となる産業です。しかし、現在の日本において農業を取り巻く環境は厳しいものがあります。農業従事者の高齢化や人口減少により、担い手が不足し、多くの農地が放棄される状況が続いています。このままでは、私たちの食卓を支える基盤そのものが揺らぎかねません。

そうした課題意識を抱き、私は地方への移住を決断し、農業を基盤とした事業を立ち上げました。非農家出身の私にとって、農業への挑戦は未知の世界への一歩でもありました。当初はわからないことばかりで、さまざまな困難に直面しました。栽培技術の習得、地域社会との関係づくり、そして農産物の販路開拓など、どれも一筋縄ではいかない課題ばかりです。しかし、その一方で、農業が持つ可能性や地方の持つポテンシャルの大きさにも気づくことができました。

私が農業に取り組む中で感じたのは、農業という仕事が単なる食料生産にとどまらず、地域の自然や文化を守り、次世代に継承する大切な役割を担っているということです。また、農業には他の産業と連携することで新たな価値を生み出す可能性があります。例えば、観光業やITとの融合により、農業の魅力をより多くの人に伝えることができるかもしれません。また、最新の技術を活用することで、生産性を向上させるだけでなく、環境への負荷を軽減し、持続可能な形での農業を実現することも可能です。

私はこれまで他業界で培った経験や知識を活かしながら、新しい農業の在り方を模索しています。伝統的な手法を尊重しつつも、現代のニーズに合わせたアプローチを取り入れることで、農業を次のステージへ進化させたいと考えています。農業を通じて地方の魅力を発信し、地域社会の活性化と持続可能な未来の実現に貢献することが私の目標です。

私たちの暮らしを支える地方と農業が持つ可能性は無限大です。一人ひとりがその価値に目を向け、小さな一歩を踏み出すことで、大きな変化を生み出すことができると信じています。これからも挑戦を続け、農業を通じて地域と社会の未来を創造していきます。

代表取締役社長 井向 隆文