私は約1年半の間、就農地の先進農家の下で農業研修をやらせていただきました。
まったく農業とは関係ない仕事をしてきており、親元就農でない私は農業の基本もわかっていません。いきなり農業経営を始められないため、市の単独補助金をいただきながら先進農家から学ぶという選択をしました。
今回は農業研修がいかに大事だったかを振り返ってみたいと思います。
農業研修の大事なポイント
農家の生活を知ることができる
サラリーマン時代と異なり農家は毎日が決まった時間に働き始め、決まった時間に仕事が終わるわけではありません。
会社の都合でなく、植物の成長や自然の変化に合わせて働き方を変えていく必要があるためです。適期に作業するためには作物の成長に合わせなくてはならないし、天候の変化に応じて作業をする必要があります。強風の中に農薬を散布したりしても周りに散ってしまい効果が得られません。風がない早朝に行く必要がでたりするのです。
いろいろな面でサラリーマンと異なるため、いつどんなことをしているのか、農家の生活を知ることが大事になります。
畑や道具を借りることができる
一から農業を始める場合は本当に何もかも用意する必要があり大変です。
例えば鍬一つ、スコップ一つでさえ持っていないところから始めるので作業のたびに新しい道具が必要になったりします。それをすべて自分で用意していくのは大変です。もちろん鍬のような必ず常備しておいた方がよい農具や毎日使うような農具は自分でも買っておいた方がよいですが、一年のうち一回しか使わないような道具は借りられるなら借りた方がよいです。(他にもお金がかかることが沢山あるので、徐々にそろえていけるようにする)
畑も沢山ある(耕作放棄地が沢山ある)とは言え、なかなか貸してもらうことは難しいです。見ず知らずの人が畑を貸してくださいと言っても知らない人に簡単に貸してもらえるものではありません。
そんな時にお世話になりやすいのが研修先の農家だと思います。
教科書で学べないことを学べる
私も事前にあらゆる本などで農業の勉強をしましたが、実際に研修では教科書にない実践的なことを学ぶことができました。教科書にない内容が実はかなり大事だったりします。教科書のどこにでもある一般的な内容と異なり、その地に合ったことも聞くことができます。
研修期間を通じて農業経営の準備を進める
就農する地域にきてその土地に合った農業経営の準備は、研修期間中に進めておけるとよいでしょう。
例えば農協出荷にするのであれば、現地で関係者に挨拶が必要になったり、会合に出席が必要になったりします。離れた都心などでは思うように進めることができなかったでしょう。
実際に移住してみると様々な準備が必要になります。どんなに予め想定しておいても想定外のことは沢山おこります。就農してからでは遅かったりするので、研修期間中に準備をすることが大事かなと思います。
農業次世代人材投資資金の準備型では2年以内の研修を行うことになっています。2年間というのはとても長いようであっという間に過ぎてしまいます。1年かけて基礎を学び、もう一年で自分の今後を想定しながら準備するのがちょうどよいのかなと思います。
私は年度の途中から移住したため1年半の研修期間になりましたが、少し忙しかったです。
いきなり始めてみるのもよいですが、研修を学ぶだけでなく自分の準備期間ととらえると大事な時間になるかなと思います。